ついに積立て投資を実践し始めたあなた。
でも、ただ積立てるだけでは、先の見えない投資が「本当に大丈夫なのかな?」と不安に思えてくるはず。
解決策としては、明確な目標を持つ事なんですが…
いつまでに、いくらぐらい殖やせばいいのかを、しっかり明確にしていきましょう。
目標を明確にしよう
目標とは、霧の彼方にあるようなあやふやな、漠然とした標識ではありません。
目標とは、頑張れば手が届くような「具体的」な数字であるべきです。
人は「具体的な目標」がある事で初めて、自分の行動プロセスを意識して注意を払おうとするもの。
手取り収入が減るかもしれない、また、公的年金も当てにできない中で、私達は一体どれだけの「資産」を形成する目標を立てればいいのでしょうか?
あなたもリタイア後の生活までに十分な資産を残していないと、心配になりますよね。
ただ、資産の額がひとり歩きしてしまい、本当に必要な金額を、どのように手当てしていくのかについては、まだ漠然としているようです。
総務省の家計調査年報(平成19年)によると、リタイアした夫婦1組あたりの生活費の平均は、およそ23.7万円/月となっています。
これは生活していく為に必要な最低限の支出です。
私達が積立て投資を行なっていく目的は、リタイア後の「余裕資金」を賄う事ですから、趣味や生き甲斐の為や、旅行に出かけたりする為に使う資金を考えると、サード・エイジの必要生活費は35万円になります。
そうすると、65歳から90歳までの25年間で、約1億500万円の資金が必要になります。
以前、現在30代の人がもらえる年金受給額は「現役時代の生活費」の3分の1程度になるだろうと予測しました。
「現役時代の生活費」をおよそ月30万円とし、公的年金の予想受給額を月10万円としましょう。
これを25年にわたって受け取る訳ですから、足りない部分の資金のトータルは、およそ7500万円程度となります。
つまり、今年35歳、会社員の山田太郎さんが、65歳時点でお7500万円の資産を作る事ができれば、余裕のあるリタイア後の生活を送る事ができるのです。
これこそが、「具体的な目標」になります。
山田さんが65歳時点7500万円の資産を作る為には、単純に資金を積み上げるイメージでいうと、月に20.8万円もの「掛金」が必要になります。
「おお…結構大変だなぁ…」と思われますが、ここで「投資」という考え方を取り入れるのです。
自分が許容できる範囲のリスクを取って、運用の収益率を上げていく戦略ですね。
「みらい資産」を、どう形成するか?
先ほど述べた、毎月20万円もの掛金は無理だとしても、例えば月5万円程度の拠出なら、何とか手が届く範囲にあるのではないでしょうか。
加えて、積立て投資の掛金をあなたの収入な流れに合わせて、2つの原資に分けていきます。
①毎月の給与収入からの「掛金」
②年に2回のボーナスからの「掛金」
例えば、毎月の「掛金」を5万円とし、ボーナス時に年2回、20万円ずつを増額して積立て投資を行なったとしましょう。
年率5.5%、30年間の運用で、あなたの資産は約7600万円になります。(ただし、税金等は計算に入れていません)
大切な事は、30年間にわたって、自分の目標収益率、掛金の拠出が達成できれば、現実に7600万円の資産を築くのが可能だという事です。
まさに、頑張れば手が届く範囲にある目標だと思いませんか?
『株式投資の未来』(ジェレミー・シーゲル著)によると、1802〜2003年という過去200年間のアメリカ株式の平均リターンは、年率6.5〜7%と記されています。
また、債券の代表格である長期国債の年平均リターンは3.5%となっています。
過去の結果リターンは必ずしも未来のリターンを約束するものではありませんが、長期の積立て投資で年率5.5%の収益を求める事は、極めて妥当な目標値であるといえます。
「でも、30年なんて、気の遠くなるような期間だよ。本当に続けられるかどうか不安……」
そう感じてしまう方が多いからこそ、続ける事に負荷を感じにくい、また、続けている事すら忘れられる「積立て投資」が威力を発揮する訳なのです。
毎月5万円、ボーナス時に年2回ずつの「掛金」を準備し、30年間、年率5.5%で運用を行う事ができれば、あなたの資産は本当に7600万円になるのです。
そしてあなたの収入の流れに、積立て投資という「仕組み」をはめ込んで、あとは「仕組み」を稼働させるだけでいいのです。
最初は大変そうに思えますが、いざやってみると簡単なんですよ。
まとめ
積立て投資を始めても、具体的で明確な目標がないと長続きしません。
また、老後の為の「みらい資産」を形成する事も必要になってきます。
しっかりと「みらい資産」形成の為の具体的な目標を決め、それに向けての計画を立てていきましょう。
⬇︎